@AZUSACHKA 's note

わたしの感想をわたしが読みたい。

アレクサンドラ・コロンタイの恋愛レボリューション1917

恋もして!仕事して!みんなで恋愛革命!✨\フゥー/✨ フェミニズム史を学ぶ読書会を昨年から続けているんですが、そこでロシア・ソ連のフェミニストであるアレクサンドラ・コロンタイを取り上げたました。読書会のために調べ始めたら彼女の思想がとてもおもし…

『氷結の森』感想 - マタギの谷垣を思い浮かべながら読んだ小説

知人にすすめられ、熊谷達也の小説『氷結の森』(2007年、集英社)を読んだ。 氷結の森 「森」シリーズ (集英社文庫) 作者:熊谷達也 発売日: 2014/12/05 メディア: Kindle版

『民衆暴力 - 一揆・暴動・虐殺の日本近代』感想 - 読むと逆にモヤモヤする誠実な本

藤野裕子さんという歴史研究者の本をずっと前から読んでみたいと思っていて、中公新書から8月に一般向けの本が発売されたので読んでみた。 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代 (中公新書) 作者:藤野 裕子 発売日: 2020/08/20 メディア: 新書 藤野さんのこ…

『夢みる教養 - 文系女性のための知的生き方史』感想。とくに人文系の学問を学んできた女性たちへ

小平麻衣子『夢みる教養 - 文系女性のための知的生き方史』(河出書房新社、2016年) 夢みる教養:文系女性のための知的生き方史 (河出ブックス) 作者:小平 麻衣子 発売日: 2016/09/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 春から続けているフェミニズム読史会…

『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』で読書会を開きました

友人たちと一緒に「フェミニズム読史会(とくしかい)」という名前の読書会を立ち上げました。取り上げたのはSaebouさんこと北村紗衣さんの『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たちーー近世の観劇と読書』です。 シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観…

【読書】町田樹の「ティムシェル」を理解したくて、6年越しで『エデンの東』を読み始めてみた(4/4)

エデンの東 新訳版 (4) (ハヤカワepi文庫) 作者:ジョン・スタインベック 発売日: 2008/02/22 メディア: 文庫 町田樹を思い出しながら読む『エデンの東』、ついに最終巻。率直な感想としては「え…ここで終わり…?」だった。キャルはあの後どういう「選択」を…

【読書】川越宗一『熱源』(文藝春秋、2019年) - ポーランド人とアイヌ人がそれぞれ帝国主義に抵抗する話(ネタバレ有)

【第162回 直木賞受賞作】熱源 作者:川越 宗一 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/08/28 メディア: 単行本 2020年1月に直木賞を受賞して知った作品。サハリンに来たポーランド人(ブロニスラフ・ピウスツキ)がアイヌと出会うなんてウィルク(『ゴール…

【読書】町田樹の「ティムシェル」を理解したくて、6年越しで『エデンの東』を読み始めてみた(3/4)

エデンの東 新訳版 (3) (ハヤカワepi文庫)作者:ジョン・スタインベック発売日: 2008/02/22メディア: 文庫 第二巻を読んでからだいぶ時間が経ってしまった。年末には読み終えていたんだけどなんだかんだで遅くなってしまった。なので今回は短めに。 この巻で…

【読書】町田樹の「ティムシェル」を理解したくて、6年越しで『エデンの東』を読み始めてみた(2/4)

エデンの東 新訳版 (2) (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョン・スタインベック,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/01/24 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (11件) を見る 町田樹を思い出しながら読む『エデンの東』第…

【読書】町田樹の「ティムシェル」を理解したくて、6年越しで『エデンの東』を読み始めてみた(1/4)

エデンの東 新訳版 (1) (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョン・スタインベック,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/01/24 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 37回 この商品を含むブログ (20件) を見る 町田樹がソチ五輪シーズンに掲げたテーマ「…

【映画】「バーレスク」感想(2019年、チェコ) - チェコの渡辺直美がバーレスクで輝く話

※前半はネタバレなし、後半はネタバレありです。 バーレスク 発売日: 2019/06/29 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る いつもはFilmarksに映画の感想を書くんだけど、どうしてもこの映画を見つけられなかったのでブログで。 チェコで教師とし…

【読書】鈴木ふさ子『氷上のドリアン・グレイ 美しき男子フィギュアスケーターたち - 文芸評論家によるトリノ・バンク世代の男子スケーター批評

氷上のドリアン・グレイ―美しき男子フィギュアスケーターたち 作者: 鈴木ふさ子 出版社/メーカー: アーツアンドクラフツ 発売日: 2018/02/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る オスカー・ワイルド研究が専門の文芸評論家で尚且つフィギュアスケ…

【読書】ちくま評伝シリーズ『フリーダ・カーロ〜悲劇と情熱に生きた芸術家の生涯』 - フリーダ・カーロについて初めて読んだ本

フリーダ・カーロ ──悲劇と情熱に生きた芸術家の生涯 ちくま評伝シリーズ〈ポルトレ〉 作者: 筑摩書房編集部 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/01/13 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ちくま評伝って初めて読んだ。1番最後に国語の試…

【読書】織田信成『フィギュアほど泣けるスポーツはない!』 - おだくんが「たくさんの人に楽しんでもらう」ために作った本

フィギュアほど泣けるスポーツはない! 作者: 織田信成 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/01/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 図書館で本を物色していてたまたま目についたので手に取ってみた。出版されたのが2018年1月なので…

【読書】北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』感想 - 批評家は深い意味を読み解く方が楽しいから批評する

お砂糖とスパイスと爆発的な何か?不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門 作者: 北村紗衣, 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2019/06/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る Twitterでも有名な「saebou」さんこと北村紗…

【海外ドラマ】ゲーム・オブ・スローンズ最終章(第8章)感想(ネタバレあり)

GAME OF THRONES(R) 8 #1 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る ブログには原作小説の感想しか書いていなかったけど、AmazonPrimeVideoでゲーム・オブ・スローンズを見てました。本当にめちゃくちゃ面白かった。盛り上がっているときにリアルタ…

【読書】須賀しのぶ『革命前夜』(2015年、文藝春秋)

革命前夜 (文春文庫) 作者: 須賀しのぶ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/03/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る ※リンクは文庫版だけど、読んだのは単行本です。 1989年の東ドイツ・ドレスデンにピアノを学ぶ学生として留学した日…

【読書】三浦綾子『病めるときも』(角川書店、昭和57年初版、平成24年改版)感想

病めるときも (角川文庫) 作者: 三浦綾子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2012/05/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 三浦綾子の短編集なんだけど、登場する悪役がスタンダードな悪の形ばかりでびっくりした。「井戸」「足」は未成年に対す…

【読書】ジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ第2巻『王狼たちの戦旗(上下巻)』感想

王狼たちの戦旗〔改訂新版〕 (上) (氷と炎の歌2) 作者: ジョージ・R・R・マーティン,目黒詔子,岡部宏之 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2012/06/30 メディア: 文庫 クリック: 8回 この商品を含むブログ (21件) を見る 王狼たちの戦旗〔改訂新版〕 (下) (…

【読書】ジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ第1巻『七王国の玉座(上下巻)』感想

七王国の玉座〔改訂新版〕(上)(氷と炎の歌1) 作者: ジョージ・R・R・マーティン,岡部宏之 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2012/08/01 メディア: Kindle版 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (3件) を見る 七王国の玉座〔改訂新版〕(下…

【読書】三浦綾子『続 氷点(上下巻)』(角川書店、文庫版初版:昭和57年発行)感想

続氷点(上) (角川文庫) 作者: 三浦綾子 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2012/07/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 続編の感想。『氷点』についてはこちら 三浦綾子『氷点』の続編、『続・氷点』を読んだ。『氷…

【読書】三浦綾子『氷点(上下巻)』(角川書店、文庫版初版:昭和57年発行)感想

氷点(上) (角川文庫) 作者: 三浦綾子 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2012/06/22 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (6件) を見る 『石ころのうた』『天北原野』に続いて三浦綾子3冊目。旭川に…

【読書】上西晴治『十勝平野(上)』(1993年、筑摩書房)感想

十勝平野(上) 作者: 上西晴治 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 明治・大正・昭和にかけての十勝・浦幌を舞台に、アイヌの親子三代の生活と戦いを描いた小説。下巻は図書館の返却期限に間に合…

【読書】三浦綾子『天北原野』(新潮社、1985年)感想

天北原野(上) (新潮文庫) 作者: 三浦綾子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1985/05/28 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (4件) を見る 先月、旭川へ旅行して興味を持った三浦綾子の小説。すごく面白かったです。 1924年〜戦後の北海道…

【漫画】草凪みずほ『暁のヨナ』第29巻(2019年4月、白泉社)

暁のヨナ 29 (花とゆめCOMICS) 作者: 草凪みずほ 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2019/04/19 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 延々と話を長引かせすぎ、またヨナがさらわれた、というコメントをアマゾンのレビューとかで見かけたけれど、好…

【漫画】吟鳥子『君を死なせないための物語』第5巻(2019年4月、秋田書店)感想

きみを死なせないための物語 5 (ボニータ・コミックス) 作者: 吟鳥子 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 2019/04/16 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 最近お気に入りのSF少女漫画。 遠い未来、地球に住めなくなってしまった人類は宇宙に建…

【読書】三浦綾子『石ころのうた』

石ころのうた (角川文庫) 作者: 三浦綾子 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2012/04/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 先日、旅行で旭川に行ったので読んでみた。恥ずかしながら三浦綾子という作家を全く知らなかったのだけど、『氷点』を書…

【映画】「ソローキンの見た桜」(2019年)感想(※後半にネタバレあり)

sorokin-movie.com 「日露戦争時代のロミオとジュリエット」というコピーがなんとなく好きじゃなかったんだけど(偏見)、愛媛に何度か行ったことがあるのとロシアに興味があるのとで見に行ってみたら、すごく感動して号泣しました。ストーリーはそんなに複…

【漫画】CLAMP『魔法騎士レイアース』(講談社、連載:1993-1995年)

魔法騎士レイアース 新装版全3巻 完結セット 作者: CLAMP 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2010/12/01 メディア: コミック クリック: 12回 この商品を含むブログ (3件) を見る 私が幼稚園生の頃に雑誌『なかよし』で連載されていた漫画。数年前に古本屋で手…

【映画】「ヒトラーと戦った22日間」(2018年)感想※ネタバレなし

http://www.finefilms.co.jp/sobibor/ 「ヒトラーと戦った22日間」を東京女子大学での試写会*1で見てきた。タイトルに「ヒトラー」が入るのでドイツ映画かな?と思う人がいるかもしれないけれど、これはポーランドのソビボル絶滅収容所が舞台のロシア映画。*…