@AZUSACHKA 's note

わたしの感想をわたしが読みたい。

【漫画】草凪みずほ『暁のヨナ』第27巻(2018年、白泉社)感想

 

暁のヨナ 27 (花とゆめコミックス)

暁のヨナ 27 (花とゆめコミックス)

 

 

長期連載してる作品だけど、LINEマンガで途中まで読んでいたのを最近になって最新巻まで読んだら夢中になってしまった。こんなに面白い漫画になぜ今まで気がつかなかったの自分!!


高華国という架空の王国の王女ヨナは箱入り娘として王宮で平和に暮らしていたが、政変により、ある日とつぜん王宮を追われる身となってしまう。生まれて初めて王宮の外に出て旅をすることになった彼女は、それまで知ることのなかった自国の民の生活を知り、多くのことを学びながら成長していく。(ちなみに旅をする主人公のお供をするのは全員イケメン。そこは少女漫画!!)


Amazonのレビューに「話が全然進まない、ヨナの目的も分からない」と書いてる人がいた。たしかに27巻まで来たけれど、ヨナはまだ今後の自分の身の振り方を決められていない。彼女の人生の選択肢って(定住を目指すとしたら)①身分を隠して静かに暮らす②スウォンを倒して王位を奪うの二択しかないので、簡単には決められないよね。


でも少しずつ②に向かっているようには感じる。スウォンは為政者として優秀みたいなので、このままだとヨナが王位を奪おうとしてもあまり周囲の理解や応援を得られなさそう。それを覆すだけの説得力をヨナが得るには、緋龍王伝説という宗教的背景が重要になってくるのかもしれない。特にここ数巻で「神の力に頼らないと宣言するスウォン」と「四龍(と暗黒龍と天才美少年)をそばに置くヨナ」という図式が浮かび上がってきてる。この巻ではヨナと腹へりたちが緋龍王伝説を継ぐものとして有名になってきていて民衆の支持を得つつあることが示されているので、そのへんの下地になるのかもしれない?
だけど、ヨナ自身は自分が緋龍王の生まれ変わりだから王位に就くべきと考えるような人間ではないよね。なので「神に頼らないスウォン」と「四龍をそばに置くヨナ」という図式のままヨナがスウォン政権を打倒するとは思えないので、ここからどういう風に話が動いていくんだろう。(なので②に向かっているようで、やっぱりまだまだ謎や課題は残されている感じ。)


しばらくヨナ一行はケガしたり離れ離れになったりでつらい展開だったから、新章突入で一息ついて温泉でのんびりできたり戦いがあってもケガはしなかったりで良かった。