@AZUSACHKA 's note

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【漫画】CLAMP『魔法騎士レイアース』(講談社、連載:1993-1995年)

 

魔法騎士レイアース 新装版全3巻 完結セット

魔法騎士レイアース 新装版全3巻 完結セット

 

私が幼稚園生の頃に雑誌『なかよし』で連載されていた漫画。数年前に古本屋で手に入れて、本棚を整理したら出てきたので読み返した。


内容はよくある異世界もので、校外学習で東京タワーに行った中学生の女の子3人(光・海・風)が「セフィーロ」という世界に飛ばされてしまい、「伝説の魔法騎士(マジックナイト)」となって捕らわれのお姫様(エメロード姫)を助けに行く…というストーリー。


でも世界観が面白いんだよね。セフィーロは「心の強さが全てを決める」という世界で、魔法騎士たちが持ってる武具は彼女らの精神的な成長に伴って変化するし、エメロード姫は「セフィーロを愛する」という「気持ち」でこの世界を支えている。つまり、エメロード姫が「セフィーロよ平和であれ」と願えば、その通りになる。このシステムは、劇中では「柱」システムと呼ばれている。エメロード姫=柱=セフィーロを支える存在、というわけ。
でも、セフィーロのそういう「柱」システムは「柱」の人生を犠牲にした上で成立している。エメロード姫セフィーロ以外を愛することは許されないので、人生の伴侶を持つことも、誰かを心の中で愛することさえもできない。エメロード姫ひとりが我慢すれば、みんなが幸せでいられる。
物語は、このセフィーロの「柱」システムに疑問を持つ形で進んでいく。誰かを犠牲にしなければ成り立たない「柱」システムの世界は本当に美しいの?このままでいいの?と。主人公たちが最終的に打倒するべきと認識するのが敵や悪役ではなく社会システムに至るのが面白いしすごくいいなと思った。

 

ただ、ストーリーはシンプル。でも私がこれをリアルタイムで見ていたのは幼稚園児の頃なんだよね。当時はたぶん漫画ではなくアニメで見てたんだけど。でも連載されていた『なかよし』は小学生向けの漫画雑誌。こういう話を小学生でも理解できるようにまとめあげたCLAMPって天才だよね。