@AZUSACHKA 's note

わたしの感想をわたしが読みたい。

【読書】ジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ第1巻『七王国の玉座(上下巻)』感想

 

七王国の玉座〔改訂新版〕(上)(氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕(上)(氷と炎の歌1)

 
七王国の玉座〔改訂新版〕(下)(氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕(下)(氷と炎の歌1)

 

 全世界でヒットしてるらしいけど日本では一部(映画や海外ドラマ好き)でしか流行っていない、話題(?)の「ゲーム・オブ・スローンズ(略称:GoT)」の原作シリーズ小説『氷と炎の歌』シリーズ第1巻『七王国の玉座(上下巻)』を読んでみた。ドラマのほうはシーズン3あたりまで見てから読んでいるので、ざっくりとしたストーリーは頭に入っている状態。

 

小説を読んでみて分かったのが、ドラマでは色々な説明を省略してるということ。はじめはドラマに原作があるということも知らずに見ていたので、なんて難しい話なんだ…一回見ただけじゃ全く頭に入らない…それなのにこんなに流行ってるということは私バカなのかな…と少し悩んでいたんだけど、小説を読んでみたら安心した。小説では地の文で世界観やら登場人物やらを詳しく説明しながらストーリーが進んでいるので、ドラマになると分かりにくいのは当たり前だった。そこらへんを確認できて良かった。
でもドラマを先に見ていたからこそ登場人物のビジュアルがイメージしやすかったのもあるので、ドラマと小説のどっちを先に見たらいいかは一長一短あると思う。

 

ところでドラマではセックスのシーンがかなりがっつり描かれているけど、原作小説ではあんまり描写が無いんだね。なんでドラマ版だとあんなに描かれるんだろう…

 

物語が終わる前に感想を書くのはちょっと苦手なので、あとはそれぞれの登場人物についてコメントするだけ。

 

 ジョン・スノウ

上巻の表紙は黒い服を着ているし髪も黒いので、たぶんジョンだと思う。ドラマのシーズン1を見ただけだと正直わたしには誰が主人公か分からなかったんだけど、複数名いる視点人物のうち今後最も主人公っぽくなっていくのがジョンなのかな?でも主人公がいる物語というより群像劇なのかなと思うので、あんまり彼が主人公だと思いこまない方がいいのかも。それにしても原作では14歳だったんだね。ドラマ版ではサムと「女性経験ある?」という会話をしてて、イケメンなのに女性経験無いことを説明するために「自分は正嫡の子ではないから、自分に子どもができたら同じ人生を歩ませてしまう」とまで説明してたんだけど、14歳ならそりゃあ女性経験無くても普通だよ!笑
サムが読書家で、おそらく文官としては大変優秀な人材であることを即座に見抜いてモーモント総帥に進言するところは良かったな。ジョン自身はまだまだ未熟だけど、人の良いところを見つけられるって大事なことだよね。それをモーモント総帥が認めてくれるのも良かった。ジョン、みんなの期待に応えて立派な大人になってほしい。

 

アリアとサンサ

ドラマではアリアがサンサに劣等感を抱いているというのがよく分からなかったんだよね。アリアはお転婆だけど普通にルックスは可愛いんだもん。たしかにサンサのほうがおしとやかで貴族のお姫様らしさはあったけど、単純に姉と妹ならそりゃ姉のほうが落ち着いてるよな、なんで劣等感?と思ってた。このへんはドラマだけじゃ良く分からなかった部分なので小説で補完できて良かった。

 

ティリオン

読書してる姿がはっきり描かれているキャラクターってもしかしてティリオンとサムだけ?ジョン・アリンやエダードも文献で調べものしてるけど、あくまであれは調べものだもんね。ティリオンの「剣を鋭利に保つなら砥石が必要であるがごとく、精神には書物が必要なのだ*1」という台詞はすごく良かった。これだけ「力が正義!」な感じの世界の中で、肉体的にはかなり不利な状況のティリオンが知性でどれだけ戦っていくのか楽しみ。もちろんサムもだけど。
ドラマ版と違って小説ではティリオンのセックスシーンはあまり描かれないので、ドラマ版よりなんとなく良い男に見える気がする。ドラマ版でも彼の台詞から常人とは違う知性を感じられるけど、どうしても女にだらしなさそうなイメージもついてしまっているので。。。

 

デナ―リス

下巻の表紙はデナ―リスだね。実は登場人物の中で一番デナ―リスが好き。物語を楽しむとき、あんまり「このキャラクターが好き!」という見方はしないほうなんだけど、デナ―リスはすごい好き。まずドラマ版のビジュアルが好みすぎるんだけど、「ドラゴンは馬と羊を区別しない(うろ覚え)」みたいな尊大な態度もすごい好き。尊大な態度であると見せかけて実際は羊(征服した部族の人びと)を守ろうとしているのも好きだし、ドロゴがそのへんを全て理解しつつデナ―リスを認めてるのも好き。ドロゴがデナ―リスに出会って、デナ―リス流の人権感覚に触れていく…みたいな展開があれば最高だったんだけど、ドロゴは死んじゃうので本当に残念…。
ドラマ版ではデナ―リスが通訳の女性からドスラク語を学ぶシーンがあって、デナ―リスがお人形さんなだけではなく努力してドロゴ&ドスラク人に近づこうとしているシーンなので大好きだったんだけど、小説版には無いんだね。セックスのテクニックを学ぶシーンしか描かれてなくて残念…。ドラマ版では色々端折っててストーリーが分かりにくくなってるんだけど、これはドラマ版で追加演出があって良かったやつだと思う。

 

ざっくりとした感想だけど、ここでおわり。

*1:上巻、209頁