@AZUSACHKA 's note

わたしの感想をわたしが読みたい。

自分らしくあろうとすると「政治的」にされる - 『歌われなかった海賊へ』感想

 

『同志少女よ、敵を撃て』の作者の2作目。ナチズム下のドイツに実在した『エーデルヴァイス海賊団』を描いた小説(※登場人物はおそらく創作)。

前作がとても好きだったので、発売直後に迷わず購入!

でもなかなか読めなくて今になってしまった。

続きを読む

『源氏物語』をフェミニズム批評する - 『フェミニスト紫式部の生活と意見 ~現代用語で読み解く「源氏物語」』感想

 

源氏物語』をフェミニズム批評で読み解く本。

以前から気になってて、今年の大河ドラマ紫式部なので読んでみた。

源氏物語は『あさきゆめみし』と高校生時代に読んだ解説本くらいしか知らないんだけど、それでも(だからこそ?)すごく面白かった!

フェミニズムのことをよく知らない・原作を読んだわけではない状態でも面白いんだけど、フェミニズムの目を通してストーリーを追いかけたらさらに面白くなった。

続きを読む

「もやもやする」を言語化する - 『アイヌもやもや』感想

 

12月に発売された本。金カム読史会の仲間が「こんな本が出るみたいだよ」と教えてくれたので読んだ。きっとこの本はなるべく早めに読んで感想をあげて広めなきゃいけない本だろう…という予感があったので、他の積読から目を背けつつ読んだ。

とっても良い本でした!!!!!!!!!!

これ、おすすめします。ぜひ読んでほしいです。

アイヌの文化や歴史に関心ある人だけでなく、レイシズムに問題意識を持っている人やフェミニストにも読んでほしい。(※なぜフェミニストにも、なのかは後述)

アイヌ差別だけでなく、レイシズムに問題意識を持つうえで大事なポイントがこの本に詰まっている。しかもそれを平易な言葉で説明してくれているんですよ。

今年発売された『トランスジェンダー入門』という本の帯に「最初に知ってほしいこと」という言葉が書かれていたけれど、この『アイヌモヤモヤ』にもそれが詰まっているのかなーと何か通じるものを感じました。

続きを読む

推しと結婚した話、というより - 『ニジンスキーは銀橋で踊らない』感想

最近ポッドキャストTBSラジオ「アフター6ジャンクション」をよく聴いている。

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」 - 「ニジンスキーは銀橋でおどらない」について by かげはら史帆

少し前、この番組で紹介されていた『ニジンスキーは銀橋で踊らない』が面白そうだったので読んだ。

  • ストーリー
  • 感想(ネタバレにはしていないつもり)
    • ※以下は軽くネタバレめの感想(メモ程度の箇条書き)

 

続きを読む

最初に知るべきこと - 『トランスジェンダー入門』感想

先日発売されたばかりの新書。以前『トランスジェンダー問題』を購入したんだけど、ちょっと難しくてなかなか読み進める気力が湧かなかったので、新しく出たばかりの『入門』から読むことにした。

続きを読む

「言葉と知恵」で戦うプリンセス - 漫画『アンナ・コムネナ』4巻 感想

漫画『アンナ・コムネナ』がすごく面白い。

実在したビザンツ帝国の皇女、アンナ・コムネナを主人公にしたフィクション作品。

 

歴史漫画のおもしろさ、少女漫画のような甘い恋、フェミニズムに基づいたポジティブなメッセージ!

歴史学も少女漫画もフェミニズムも大好きなわたしのために生まれてきてくれたのでは…!?ってくらい好きな漫画です。

 

ブログで取り上げるのは初めてなので、1〜3巻の感想から書いていきます。

  • 最近の推し漫画です
  • 1〜3巻感想(箇条書き)
  • 4巻感想

 

続きを読む

女子学生よ、大志を抱け - ウルフ『自分ひとりの部屋』感想

「タイトルだけで要点を伝えられる本」というのがあると思う。例えば『差別はたいてい悪意のない人がする』など。ウルフの『自分ひとりの部屋』も、そういう本だと思っていた。読む前は。

でも読んでみたら、「女性には自分ひとりの部屋が必要」という話ではなく「女性が本を書くなど芸術活動に取り組むためには年収500ポンドと自分ひとりの部屋が必要」という話だった。

続きを読む