@AZUSACHKA 's note

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【読書】ジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ第2巻『王狼たちの戦旗(上下巻)』感想

 

王狼たちの戦旗〔改訂新版〕 (上) (氷と炎の歌2)
 
王狼たちの戦旗〔改訂新版〕 (下) (氷と炎の歌2)
 

第1巻『七王国の玉座』の感想はこちら

 

ゲーム・オブ・スローンズ」原作『氷と炎の歌』シリーズの続き。
本が分厚くて重いので、読んでるとだんだん左手の親指の付け根が痛くなってくる。

まだまだストーリーは途中なので、ドラマとは違うなと気づいた部分を中心にメモ程度の感想。

 

デナ―リス

夫であったドロゴを火葬した炎の中からドラゴンたちを自分の手で取り上げたから「ドラゴンの母」なんだと思ってたけど、彼女はドラゴンたちを自分の母乳で育てていたんだね。お腹に赤ちゃんがいたから、母乳が出るんだね…ドラゴンたちにとってデナ―リスが母である以上に、デナ―リスにとっては自分の子どもなんだろうなと思った描写だった。

 

サー・ジョラー・モーモン

かなり年下であるデナ―リスのことを愛しているおじさん。ドラマだと俳優さんが渋めのかっこいいおじさんだし、デナ―リスのことを「年齢に関係なく女王として尊敬しつつもほんのりと女性として愛している」感があってそんなに気持ち悪くもなかったけど(※かなり好意的に見れば)、今作で前妻もかなり若い相手(結婚当時の年齢はモーモントの半分ほどの年齢だったらしい)だったというのが判明して「単なる若い子好きのおじさん」キャラになってしまった。「デナ―リスの乳房*1から目が離せなかった」って描写も気持ち悪かった…。この後で彼が名誉挽回するチャンスはあるのかなあ。

 

アリア

そもそも捕らわれて連れていかれて強制労働?させられてたのはハレンの巨城だったのねwドラマだと彼女が連れていかれたのがどこなのか(タイウィンが支配してたからラニスター側だってことは分かったけど)そもそもよく分かってなかった。
しかもドラマだと全然気づかれてなかったけど、連れ去られる道中で女の子ってバレてるし、酌取りさせられるのもタイウィンじゃないし、色々と違う点が多い場面だった。

 

ブラン

沼地人の姉弟(ミーラ・リード&ジョジェン・リード)にブランが出会うのは、ドラマではブラン一行がウィンターフェルから逃げた後だったよね?原作ではブランたちがまだウィンターフェルルにいる時に出会っていたのね。ドラマを見てるだけだとリード姉弟が何者なのか(森で暮らすアウトローかと思ってた。。。)分からなかった。そもそもスターク家の旗手だったのね。
あとブランとリコンが二手に別れるタイミングと流れがドラマとは違った。ドラマではブランが「壁の北を見に行く」ために別れたけど、原作だと「ロブの後継ぎは二手に別れたほうがいい」とメイスターが提案して別れることになってた。オシャのキャラクターもちょっと違うね。原作だとあんまり重要な感じしないな…オシャの扱いはドラマの方が立体感あって良いね。

 

ジェレミー

自分が殺したのは狂った王だったことを告白する場面。ドラマではブライエニーが彼をキングス・ランディングに送る道中でのことだったし、「本当なら『王殺し』なんて不名誉な呼ばれ方をされるべきではない人なんだ」って印象を受けるようなものだったけれど、小説ではまだ北部軍によって捕虜にされているときにキャトリンとブライエニーの二人に対して話していて、かなり嫌な奴なままだった。
ドラマだとキャトリンがリトルフィンガーにそそのかされて勝手にジェレミーを解放するので、キャトリン何バカなことやってるの!?感あったけど、原作だとリトルフィンガーとの絡みは発生しないままなんだね。キャトリンのキャラクターはドラマより原作のほうがちゃんと描かれている感じ。

 

シェイ

ティリオンが昔、恋した娘のことをシェイに話した際、シェイは「目を丸く」していて、その奥にどんな感情が潜んでいるのかティリオンには分からなかった…と書かれていた。もしかして、シェイはティリオンの過去に単に驚いていただけでなく、実は元からタイウィンの回し者だったから彼が娼婦を利用して殺したことに驚いたのかなあ。ドラマの考察でも、シェイがタイウィンの回し者だった説あるんだよね?でもタイウィンは娼婦をキングス・ランディングに連れて行くなと言ってたんだから違うかなぁ…。そのあたりは原作でもティリオンの裁判シーンまで読んでみないと分からないかな。
それから、原作ではシェイがサンサの女中になってないんだね。別の女性の女中になってた。ドラマだとなんかいきなりサンサの女中になってた(裏でヴァリスまたはティリオンが手をまわした描写等は無かった)から、良く分からなかったところだった。

 

サンサ

原作では元々ジョフリーの結婚式で逃げる手筈になってたんだね!あれ?ということはもしかしてサンサとティリオンの結婚は発生しない…?

 

サム

ドラマ版で一番好きなキャラはデナ―リスなんだけど(見た目が好みすぎる)、原作で一番好きなのはサムなんだよね。登場人物の中で、一番知性を感じる。ティリオンも読書家なんだけど、彼の場合はあんまり読書家っていう設定が話の筋に絡んでこないんだよね。でもサムは行動の端々に知性を感じる。ナイツ・ウォッチが壁の北を探索に行った際の「進むにつれて怖くならない唯一の人間がサムだった」という描写はまさにそういう場面だよね。サムは地図と実際の地理を突き合わせながら道を進んでいるので、進むにつれて地理が分かるようになっており、分かれば分かるほど恐怖は薄れていってる。サムすごい好き。サムにもっと活躍してほしい。原作では圧倒的にサム推し。ドラマのサムも知性が輝いてるけど、小説の方は文字しかないのでより一層輝いてる。サムもっと出てほしい。

 

ジョン・スノウ

「野人に捕まったら投降するフリをしてスパイをしろ」って原作ではあらかじめ二本指から指示を受けてたんだね。ドラマだと急な展開すぎてよくわかんなかったとこだった。
それから、イグリットに出会って野人に捕まる場面。ドラマでは、ジョンは女性に対して経験がなさすぎてイグリット相手にドギマギして手玉に取られる…という描かれ方で、あまりにも間抜けすぎる展開だった。でも原作だと「イグリットを逃がす→二本指と一緒に行動してる時に野人に捕まる→助けたイグリットによって助けられる」って流れなんだね。ベタな展開だけど、こっちの方が遥かにジョンかっこいいじゃない!ここは原作のほうが遥かにジョンがかっこいいし、勇敢なだけじゃなく情もあるって描写になるから良いよね。ドラマと原作でジョンの描写が違いすぎてドラマのジョンが不憫なくらい。


ざっくり感想でした。

 

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*1:滞在してたクァースの衣装が片乳を出すデザインだった