@AZUSACHKA 's note

わたしの感想をわたしが読みたい。

【海外ドラマ】ゲーム・オブ・スローンズ最終章(第8章)感想(ネタバレあり)

 

 ブログには原作小説の感想しか書いていなかったけど、AmazonPrimeVideoでゲーム・オブ・スローンズを見てました。本当にめちゃくちゃ面白かった。盛り上がっているときにリアルタイムで見たかったな~全世界で流行してるのも納得。正直最初のほうは訳が分からなさ過ぎて何度も挫折したけど、物語が終焉に向かうにつれてどんどん面白くなっていったから、がんばって乗り越えて良かった。

まだちょっと自分の中で消化しきれていない部分があるけれど、見終えたばかりの情熱で一気に感想を書いてしまう。

 

※ちなみに第六章・第七章の感想はFilmarksに書いてます。最近、映画とかの感想はこっちに書くようになりました。

ゲーム・オブ・スローンズ 第六章: 冬の狂風の見知らぬたんのネタバレレビュー・ 内容・結末 | Filmarksドラマ

ゲーム・オブ・スローンズ 第七章: 氷と炎の歌の見知らぬたんのネタバレレビュー・ 内容・結末 | Filmarksドラマ

 

以下、がっつりネタバレして感想書いてます。

 

続きを読む

【読書】須賀しのぶ『革命前夜』(2015年、文藝春秋)

 

革命前夜 (文春文庫)

革命前夜 (文春文庫)

 

 

※リンクは文庫版だけど、読んだのは単行本です。

 

1989年の東ドイツドレスデンにピアノを学ぶ学生として留学した日本人の青年マヤマが主人公の物語。

須賀しのぶは『神の棘』がすごく面白くて好きだったのでその後も二つほど小説を読んでみて、これで四つめ。でも『神の棘』が一番面白かった。『神の棘』は長くて重くて読むのに時間がかかる小説だったけど、その他はさくさく気軽に読める感じ。ラノベ出身の作家さんだからかな?この『革命前夜』もベルリンの壁崩壊直前の東ドイツが舞台ということで『神の棘』みたいな雰囲気を期待して読んだんだけど、ちょっと思ってたのとは違ったなー。

テーマとしては、東ドイツという「壁」から自由を求めて脱出する人々が描かれる物語なので、『進撃の巨人』に似てるなと思った。

主人公のマヤマが恋をするドイツ人女性のクリスタも金髪美女と強い意志を感じさせる人で『進撃の巨人』のクリスタ(ヒストリア)を思い出させるし、登場人物の一人が彼女について語った「底辺に落とされてもなお、安全な家畜であることやりも、自由な人間であることを選んだのです」という言葉も『進撃の巨人』っぽかった。

でも『進撃の巨人』では、「壁」の外に出ることには成功したけど、壁の外に出れば自由になれたわけじゃない。壁の外には外でまた困難がある。だからといって「外」に出るのが無駄だと言いたいわけじゃないんだけど、「外に出る」だけで終わってしまう物語ってなんかちょっと物足りないなと思ってしまった。

作品違うけど、映画「マッドマックス 怒りのデスロード」のフュリオサたちだってイモータン・ジョーから逃げ出したけど結局ジョーを倒さないとどうにもならないと気付いて戻って倒したし、『進撃の巨人』の今まさに壁の外で戦ってるし。

 

クリスタたちが東ドイツを脱出しようとする一方で、「自分は有能な人間だからこそ東ドイツに残って国を変革すべきだ」と考えて東に残ることを選択したニナという女の子が出てきたけど、個人的にはニナのその後の方が気になった。

【読書】三浦綾子『病めるときも』(角川書店、昭和57年初版、平成24年改版)感想

 

病めるときも (角川文庫)

病めるときも (角川文庫)

 

三浦綾子の短編集なんだけど、登場する悪役がスタンダードな悪の形ばかりでびっくりした。
「井戸」「足」は未成年に対する淫行(それぞれ少年と少女に対して)、「羽音」は若い女性が自分に恋をしていると勘違いするおじさん、「奈落の声」はネグレクト。
「どす黝き流れの中より」は「小さな女の子が誘拐されて犯人によって実の子として育てられ、誘拐犯だとは知らずに養父母を大事にする孝行娘に成長、そして実の家族に再会するものの家族とは実感できずむしろ反発」という(ちょっと違うけど)ストックホルム症候群的なストーリー、さらに「結婚したら夫が兄嫁と不倫してた&兄嫁は義父とも体の関係があった」というまとめサイトのようなドロドロ展開。
どの「悪」も、ネットで炎上したら犯罪者を擁護したり被害者自身の自己決定権がーとか喚いたりする人間が湧いて出てきそうなものばかりなんだよね。そういう微妙な「悪」ばかりよくここまでまとめたなと思ってびっくりしちゃった。


ただ、表題作の「病める時も」は「婚約者が病気になっても支え続ける健気な女性」という三浦綾子っぽい作品なんだよね。
裏表紙の内容紹介もこの作品についてだったから、読んでみてびっつくりした。表題作と他の作品の雰囲気が違いすぎる…。
「愛に飢え傷つきながらも前に進もうとする人々を通して、人生を描いた傑作短編集」って裏表紙の内容紹介には書かれていたけど、きれいにまとめたなと思った。笑

 

ところで最初の「井戸」の主人公・真樹子のモデルは三浦綾子自身だよね。14年間も病気で伏せていた女性、そんな彼女にプロポーズしてきた年下の男性。でも真樹子が病気だったことはあんまりストーリーには関係無かったので、これ三浦綾子の病気を知らない人が読んだらちんぷんかんぷんなんだろうな…


短編集なので感想短め。

【読書】ジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ第2巻『王狼たちの戦旗(上下巻)』感想

 

王狼たちの戦旗〔改訂新版〕 (上) (氷と炎の歌2)
 
王狼たちの戦旗〔改訂新版〕 (下) (氷と炎の歌2)
 

第1巻『七王国の玉座』の感想はこちら

 

ゲーム・オブ・スローンズ」原作『氷と炎の歌』シリーズの続き。
本が分厚くて重いので、読んでるとだんだん左手の親指の付け根が痛くなってくる。

まだまだストーリーは途中なので、ドラマとは違うなと気づいた部分を中心にメモ程度の感想。

続きを読む

【読書】ジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ第1巻『七王国の玉座(上下巻)』感想

 

七王国の玉座〔改訂新版〕(上)(氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕(上)(氷と炎の歌1)

 
七王国の玉座〔改訂新版〕(下)(氷と炎の歌1)

七王国の玉座〔改訂新版〕(下)(氷と炎の歌1)

 

 全世界でヒットしてるらしいけど日本では一部(映画や海外ドラマ好き)でしか流行っていない、話題(?)の「ゲーム・オブ・スローンズ(略称:GoT)」の原作シリーズ小説『氷と炎の歌』シリーズ第1巻『七王国の玉座(上下巻)』を読んでみた。ドラマのほうはシーズン3あたりまで見てから読んでいるので、ざっくりとしたストーリーは頭に入っている状態。

 

小説を読んでみて分かったのが、ドラマでは色々な説明を省略してるということ。はじめはドラマに原作があるということも知らずに見ていたので、なんて難しい話なんだ…一回見ただけじゃ全く頭に入らない…それなのにこんなに流行ってるということは私バカなのかな…と少し悩んでいたんだけど、小説を読んでみたら安心した。小説では地の文で世界観やら登場人物やらを詳しく説明しながらストーリーが進んでいるので、ドラマになると分かりにくいのは当たり前だった。そこらへんを確認できて良かった。
でもドラマを先に見ていたからこそ登場人物のビジュアルがイメージしやすかったのもあるので、ドラマと小説のどっちを先に見たらいいかは一長一短あると思う。

 

ところでドラマではセックスのシーンがかなりがっつり描かれているけど、原作小説ではあんまり描写が無いんだね。なんでドラマ版だとあんなに描かれるんだろう…

 

物語が終わる前に感想を書くのはちょっと苦手なので、あとはそれぞれの登場人物についてコメントするだけ。

 

続きを読む

【読書】三浦綾子『続 氷点(上下巻)』(角川書店、文庫版初版:昭和57年発行)感想

 

 続編の感想。『氷点』についてはこちら

 

三浦綾子『氷点』の続編、『続・氷点』を読んだ。『氷点』で「ここで終わるの!?」と思ったので、続編が存在しててくれて良かった。
「原罪」がテーマだった『氷点』と違い、今度は「罪のゆるし」がテーマ。でも、自分自身の読解力の問題なのか、不勉強の表れなのか、それとも「罪のゆるし」というテーマに出会うべき自分の人生のタイミングが違うからなのかは分からないけど、最後まで読んでも「罪のゆるし」についてはちょっとピンと来なかった。

「人間が他人の罪を裁くことはできない」というところまでは分かる。「あなたがたの中で、罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」というイエスの言葉の通りだと思う。例えば、陽子を自殺に追い込んだ夏枝の罪を啓造が裁くことはできないよね。そもそも啓造が陽子を引き取ったんだし。じゃあ陽子なら夏枝にゆるしを与えられるのか?といえばそれも違う。陽子が自殺未遂をしたことで傷ついたのは陽子だけじゃない(徹や啓造だって傷ついた)んだから、陽子がゆるせばそれで済むというわけではない。それに、何もかも正しい人間なんていないのだから、他人の罪を裁くことなんてできない。

でも、だからといって「神様なら裁くこともできるしゆるしを与えることもできる」とはわたしにはまだ考えられなかった。神様の存在が唐突に感じた。

 

あとはそれぞれの人物について箇条書きで感想。

続きを読む

【読書】三浦綾子『氷点(上下巻)』(角川書店、文庫版初版:昭和57年発行)感想

 

氷点(上) (角川文庫)

氷点(上) (角川文庫)

 

『石ころのうた』『天北原野』に続いて三浦綾子3冊目。旭川に行った際、三浦綾子記念文学館はどうしてこんなに旭川の市街地から離れたところにあるんだろうと思っていたのだけど、そもそも『氷点』の主人公の家族の家が見本林(外国の樹木が日本の寒冷地でも育つかどうか観察するために造られたもの)の近くに立地していたんだね。小説を読む前に見本林に行ってしまったけど、そのおかげで見本林の雰囲気を思い出しながら読むことができた。

ストーリーについては超有名な作品なので割愛。
以下ネタバレありの感想です。

続きを読む