@AZUSACHKA 's note

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結婚かキャリアか、って古くない? - アマプラシンデレラ感想

Amazonのプライムビデオでミュージカル映画「シンデレラ」が公開されたので視聴した。
多様なルーツの俳優をキャスティングしたり、シンデレラにドレスを着せてくれる魔法使いがドラァグクイーンみたいだったり、政治に意欲のある王女(王子の妹)がいたり…と、「人権意識が向上した現代でも視聴に耐えうるシンデレラ」が売りの作品なんだろうけど、それにしてはちょっと色々と詰めが甘いかなと感じた。
シンデレラ

シンデレラ

  • カミラ・カベロ
Amazon

以下、ネタバレも含むので、ネタバレ絶対イヤ!という人は読まないで下さい。(物語の結末には触れていないです)

 

例えば、シンデレラのドレスを具現化してくれる魔法使い。ドラァグクイーンのようなファッションなのは良いとして、なんでオネエ言葉なの!?これは日本語版だけの問題かもしれないし、英語版でもオネエ言葉なのかもしれないけど、どちらにせよ「ゲイがオネエ言葉を使う」ってステレオタイプを再生産しているように見える。だから見ててあまり気持ち良いものじゃなかったな…。
 
あと、このアマプラシンデレラはドレスのデザイナーを夢見ているので「自分の夢か、王子との結婚か」で迷うシーンがあるんだけど、女性がその二択で迷う時代ってもうとっくに過ぎてると思う。現代では結婚しても女性が仕事するのは当たり前じゃない?現代の女性の多くが抱える悩みは、「結婚か仕事か」ではなく「夫婦ともにフルタイムで働いているのに育休を取得するのは女性ばかり」「『女性活用』という綺麗事を掲げているけど実際は女性の労働力を低価格で搾取しているだけ」などの問題だよね。
この映画が数十年前に生まれていたら"先進的"だったろうけど、現代では周回遅れかな…
 
グウェン王女も影薄いし…なんか取ってつけたような感じ。ディズニープリンセス繋がりで「アラジン(2019年版)」のジャスミンとキャラかぶってるし。
 
でも、舞踏会のシーンで王子の相手候補がずらーっと並んで王子がうんざりするシーンは個人的に良かった。
何かに似てるな〜と思ったらあれだ。マッチングアプリ!!!!!!
私もマッチングアプリ使ったことあるんだけど、ずらりと写真が並んで「さぁ、この中から選んで」と言われる感じが正直苦手だったんだよね。(王子と違ってマッチングアプリは別に誰かから強制されてるわけじゃないんだけど…)
舞踏会でもマッチングアプリでも、中身を知ればみんなそれぞれちゃんと個性ある人間で、きっと魅力を見つけられるはずなのに、ああやって並べられるとまるで人間が商品みたいに見えてくるんだよね。
あそこで王子との出会いを夢見て着飾っている女性たちは何にも悪くないのに、王子がうんざりする感じ。あるある〜!!って感じて個人的にはすごく印象に残ったシーンだった。
 
あと音楽が「ムーラン・ルージュ」方式なのはすごく楽しかった。クイーンのSomebody to love, エド・シーランのPerfect、ジェニファー・ロペスのLet's get loudあたりは私でも知ってる曲なので気付いた!画面は華やかできれいで楽しかったし、音楽とダンスはすごく良かった。