@AZUSACHKA 's note

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宝塚歌劇『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』感想会 - ロマンチックなものはよりロマンチックに、悲しいものはより悲しく

宝塚歌劇『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』を友人のな凧さんと一緒に見てきました(※現地チケットは取れなかったのでライビュ)。二人とも宝塚は人生初体験。鑑賞後、「原作読んで全部ストーリー知ってるのにこんなに泣く!?」ってくらい涙が止まらなかったです。本当に素敵な舞台だったので、せっかくの体験を思い出に残したくて感想にしました。


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宝塚を見た経緯

な:そもそも私たちは二人でよくロシア料理や中央アジア料理を食べに行く仲で、宝塚でジョージアを舞台にした作品を扱うと知って見に行くことにしたんですよね。二人とも宝塚は人生初体験。

あ:わたしは青春アドベンチャーの『軽業師タチアナと大帝の娘』を聴いたことがあって、並木陽さんのさわやかなストーリーと宝塚の(元)生徒さんのかっこよさは体験済だったので「絶対面白いはず!!」と予想(?)してました。

な:お互い原作小説もあらかじめ読んでおいて、万全の状態で望みました。

あ:それなのにチケットは全然取れなくて一時は絶望しました。なんとかライビュで見れて良かった〜…


原作との違い

あ:せっかく原作を予習してあるので、まずは原作と比べてみて、どうでしたか?

な:タイトルでルスダンからディミトリに変わってるので、結構違うのかな?と思ってたんですが、原作にすごく忠実でしたね!

あ:はい、原作が活かされて、とっっても泣けるストーリーに仕上がってます…!

※以下語りすぎて長くなったので箇条書き

  • 原作小説は取り扱っている内容に対して尺が短いと感じた。厚めの文庫本(上下巻)でもいいくらいの内容。ミヘイルが奴隷になった経緯やディミトリの葛藤などをもっと読みたかった。
  • 原作小説が短いからこそミュージカル化が活きていると感じた。原作の隙間を濃密に埋めたのが舞台の演出や歌。ロマンチックなものはよりロマンチックに、悲しいものはより悲しく。例えば、原作にもリラ(ライラック)の花は登場したけれど、宝塚版ではもっと効果的に使われていると感じた。花の妖精たち(?)が登場する、ルスダンが花と同じ色のドレスを着ている、タイトルに「紫の花」が入っているなど。
  • 原作に忠実なつくりだと思った。例えば、ルスダンがディミトリの足跡を見つけるシーンは宝塚版だと3回登場する。3回目で「彼がここに戻ってきた」と分かるようになっている。原作にもこのシーンがある。
  • カットした部分も効果的。原作では、最初にルスダンが自決するシーンが出てくる。ディミトリがホラズム朝につく展開が出てきたところで「そのせいでルスダンが死んでしまうのかな」とミスリードする狙いがあったのかもしれないけど、短い小説なので?あまりミスリードの効果は大きくなかったと思った。宝塚版では、舞台化しても活かしにくい部分は思い切ってカットしてた?
  • 宝塚版で追加された要素によってストーリーがわかりやすくなっていた。
    • ディミトリを良く思わなかった家臣(アヴァク)
    • ストーリーの語り手の老人
    • 娘タマラがミヘイルに懐くシーン
    • 結婚式のシーンで『斜陽の国のルスダン』というセリフが登場した。当時のジョージアの「斜陽」という状況をリマインドできた。
    • 兄王ギオルギの妻バテシバのセリフは原作になかった。でも宝塚版で追加されていた。ギオルギだけでなくバテシバも歌うことで「一緒にいることだけが愛ではない」「愛のために離れる」というテーマが強調された。バテシバの存在が良い補助線を引いていた。


テーマ

あ:テーマと宝塚の親和性もすごくよかったですよね。王道ストーリーで、宝塚の校訓「清く 正しく 美しく」にぴったりの話。愛するルスダンと恩のあるジャラルッディーン(ホラズム朝のスルタン)のどちらにも誠実であろうとした結果、ディミトリは自決を…

な:はい、本当にディミトリ…不器用すぎる…そして最後の足跡のシーンが泣ける…

あ:原作を読んだ時点では足跡のシーンってそこまで印象に残らなかったんですが、舞台で演じられるとあんなにも泣けるシーンになるんですね…


ジョージアダンスのすごさ

あ:パンフレットでも推してましたが、ジョージアダンスの取入れすごいですよね。

な:本当にかっこよかったですね!原作だと文字ですが、こうやって戦いのシーンをダンスにすることで語り尽くせない情報量がグッと詰まってきますよね。

あ:ジョージア風の衣装もヘアメイクもすごかったです。ゴージャスな衣装を見てるだけで楽しい!!

な:髪型もすごく自然でしたよね。コスプレ感がなくてすんなり馴染んでました。これが宝塚なんですね…!

 

二人の感想は以上で終わり。本当に素敵な体験でした!宝塚すごーい!!!
な凧さん、ありがとうございました❤

 

おまけ

な凧さんと『同志少女よ、敵を撃て』読書会をしたときのブログです。

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